ドラモンヴィルとYFE : ラブストーリー

Written by Your Favorite Enemies. Posted in カテゴリーなし

ここに越してきてから、もう6年。数ヶ月間かけて場所を探し、更にもう数ヶ月間を手続きに費やしたのち、ようやく正式にバンドのものとなりました。しかし、その時からドラモンヴィルは本当に私たちの家となったのです。ただ住んでいる場所としての家ではなく、本当の”家”に。みんな、すぐさま温かく迎え、歓迎してくれたんです。引っ越してからというもの、海外ツアーに参加することが多かったので、ドラモンヴィルでライブを行ったことがありませんでした。なので、Festival de la Poutine (プティン・フェスティバル)からの招待は、バンドにとって素晴らしい光栄でした。

2008年、別のドラモンヴィル・バンドからはじまったこのFestival de la Poutineは、純粋に素晴らしかったです。バンドとしてフェスティバルに望むものが全て揃っていました。スタッフは気が効く人たちばかりで、バンドのことを気遣ってくれていると感じましたし、電力は至る所に通ってるし、エスプレッソマシーンや湯沸かし器もあり、食事も美味しいし、ヘヴィすぎることもありませんでした。(えぇ、プティンはありましたが、他にも色々と用意されてたんです) 他のバンドとも、普段よく感じるようなライバル意識はなく、フレンドリーな雰囲気が感じられました。ファミリー的な雰囲気だったんです。


ステージ上でのスペシャルゾーン。自分の場所に行く前に乗り越えなきゃいけません。ストレスは厳禁!


オリジナル・プティン時計!木曜の夜に出演するバンドのラインナップとともに。


ドラモンヴィルはインターナショナルな場所…サインは中国語にまで翻訳されていました!


バンドのテントは全てドラマーの名前。フェスティバルを企画したバンドのドラマーによって、プリントされたんだろうと思います!


本番前にアーティストエリアでくつろいでいます。


セットリストにファイナルタッチを加えています。いつも驚くことは、アレックスが自分の書いた字を読めること…まさに、アーティストの字ですね!


ステージへ上がる前のヴォーカル・エクササイズは欠かせません!


鏡が近くにない?心配は無用、車の窓が鏡代わりになってくれます!


ステージへ上がる直前…そして、ショーを始めましょう!

私はライブが始まる前にステージに立って、観客の方を見ました。そこに見えた沢山のYFE Tシャツやパーカーに、ただ驚くばかりでした!そこら中に見えるだけでなく、他のTシャツよりも目立っていて、目がどうしてもそこに行ってしまうんです!なんて素晴らしい人たちだったんでしょう。北米のいたるところから参加し、長時間の移動を経てバンドに会いに来てくれた人たちもいました。気付いたことがあるんです。YFEのライブを見ることは、伝染するんだということを。一度バンドのライブを見ると、もう一度見たくなる。そして、この夏のあいだは、バンドのライブを初めて見る人たちばかりでした!彼らの質問はいつも同じ…次のライブはいつ?いつ、またライブが見れるの?そして、今回のライブは最高でした!私は写真を撮るのに、よくスピーカーの前に行くことが多いんですが、常に感じるのは攻撃性です。ある時点までは、大きな音も良いんですが、それを過ぎると攻撃されてるように感じます。私がスピーカーの近くに長時間いるとき、いつもそう感じるんですー全身、アタックされてる!と。でも今夜は違いました。今夜は、ただラウドだっただけ。攻撃を受けてると感じるようなレベルには到達しませんでした。ラウドすぎたでしょうか?えぇ。でも、今回は初めてスピーカーの前にいるのが間違いだと感じませんでした!問題なくバンドの細かい音まで聞こえました。どの音も、静かなときと同じように、ステージ上や観客のみんなと一緒に踊っていました。ライブはその不完全さの中で、完璧でした。Your Favorite Enemiesのように。私たちみんなが、そうであるように。夏を終えるのに、これほど良い音色は他になかったでしょう… 🙂

– Stephanie

大義のためのロック

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バンドの夏は前もって決められていました。2014年の後半、その年が終わるだいぶ前から、翌年の夏に出演するフェスティバルはもう既に決まっていたんです。フェスティバルというのは、そうなんです。だいぶ前にもう出演バンドは決まっていますが、公式発表があるまで黙っていなければいけません。 ここ3年ほどツアーばかりしてきたYour Favorite Enemiesのバンドメンバーは、少し家で時間を過ごしたいと思いました。それと、今後のプロジェクトに時間を費やすために。はじめは、3つのフェスティバルしか予定に入っていませんでした。そして、“Rock Fest pour la Santé Mentale”(メンタルヘルスのためのロックフェス)は、その中には入っていなかったのです。でも、オーガナイザーであるロジャーとステファニーがバンドをフェスティバルに招待し、その意味について説明してくれた時に、「ノー」とは言えませんでした。スケジュール的には少しクレイジーで、あまり理に敵ってはいませんでしたが、どうしても参加しなければいけなかったんです。メンタルヘルスは、理由は違えど、私たち全員の心に近いものでした。そして何となく、鬱や不安神経症、心的外傷後ストレス障害、摂食障害のために、未だに社会から疎外されている人々が多くいることに恥を感じています。メンタルヘルスに悩む人々は、私たちの周り、いたるところにいます。そして、いつだって、音楽が人を繋ぐ架け橋となり、互いの間にある壁を越え、自らが科した限界を壊すことができると信じてきました。

楽しみな気持ちをいっぱいに、ドラモンビル(バンドの活動拠点)から車で2時間かかる、エピファニーという街へ向かいました。会場は質素で、太陽が沈み始めた時の明かりは薄暗く、けれど大音量の音楽と、人々の笑いに満ちていました。到着した途端に家族を感じられる場所。私はこんな感覚になりました:キャンプファイヤーの周りに集まって、トウモロコシを丸々一本食べるような、アウトドアでの家族の集まり。でも今回、人を集めたのは家族の繋がりではありませんでした。家族である必要はありませんでした。今回、人を集めたのは音楽。そして、自分たち自身の行動から、この世界で何かが変わったら、という希望でした。

そしていよいよ、Your Favorite Enemiesがステージに。興奮に包まれた観客の歓声によって迎えられました。コンサートは90分続きました。素晴らしい90分でした。意味深くて、パワフル。どのYFEのコンサートもそうだと言えるでしょう。でも今夜は、いつもより少し特別だったんです。説明しにくいですが、コンサートが始まる前から、みんなが抱いていた望みが、さらに強くなって、1曲目から溢れた感じでしょうか。人はみんなジャンプして、アレックスは小さな男の子をステージへと上げ、最後にドラムセットを解体してフロアへと投げ、観客の真ん中でドラムを叩いたとき、オーガナイザーの一人が混ざり、クラウドサーフィンしました。コンサートは拍手の嵐とアンコールの叫びの中、終わりました。再びステージへと上がる代わりに、典型的なYFEのアンコールを行いました:コンサートのあとに来てくれた人たちと話をすること!バンドメンバーは写真を撮り、アルバムやTシャツにサインをし、多くの人と話して、話して、話しました!コンサートが終わったのは11:30pmでしたが、会場をあとにしたのは2am過ぎでした。

家に着いたのは4:30am頃。でも何となく、たとえ家に着くまでが長く感じたとしても、すぐには眠れませんでした。まだ、みんなのテンションが高かったんです!この瞬間を素晴らしいものにしてくれて、終わることのない夜にしてくれて、どうもありがとうございました!

次回、8月27日に行われるドラモンビルでのFestival de la Poutineで会いましょう!まだチケットを持っていない人は、ここからどうぞ!

– Stephanie

様々な色が一つになる

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何を期待して良いか分からないまま、Otakuthonに到着しました。初めて参加するOtakuthon。私の場合は、そのコンベンションの名前すら聞いたことがありませんでした…日本語で「オタク」というのは、何となくネガティブな意味を持ちます。そのイメージを払拭するのが、正直難しくもありました。どんな風になるのだろう?人は音楽を楽しんでくれるだろうか、それともビデオゲームや漫画、アニメのことにしか興味がないだろうか?

会場はとても広く、椅子が何列も並べられていました。ステージにはまだ何もなく、会場はとても明るくて、綺麗でした。他のライブハウスのようにお酒の匂いや汗臭さなどはありませんでした。それでも、この会場でこれまで経験されてきた様々な感情が、壁に染み込んでいる気がしました。バックステージでさえキラキラ光るほどに綺麗だったんです。アーティストルームの椅子に座るのも嫌じゃありませんでした。でも何となく、そこにいるのが変な気もしました。特に会場の椅子です。ライブ中、人は座って楽しむのでしょうか?ライブは会議じゃないんですよ…!

サウンドチェックは上手くいきました。いつもは、許される限りの時間を使います。でも今回は違いました。すぐに、大丈夫だという確信を得たんです。チームはプロフェッショナルで、自分たちのすべきことを分かっていました。そしてサウンドに関してもバンドメンバーが求めているものを、すぐに与えることができたんです。私たちはすぐにバックステージへと行き、リラックスし、食事をし、そこから2時間後、本番のためにウォームアップをし始めました。

そうして本番スタート。空席の椅子は、もうどこも空いていませんでした。ワクワクした様子のカラフルな人たちで埋まっていたのです。この会場はようやく活気付きました。ありのままの自分で会場に入ることで、この部屋に魂を与えたのです。短いイントロダクションのあと、バンドはステージへと上がりました。アレックスが最初に発した言葉は、人をステージ前に招くための招待でした。私は”あぁ、写真を撮るための自由な空間が…”と思いましたが、それでもみんなが急いでステージ前に行こうとするのを見て嬉しく思いました。後ろに座っていた人たちも、視界が広がってきっと喜んだことでしょう!

ライブは2時間続きました。アレックスがステージの上をあんなにジャンプしているのを見たのは初めてです。ステージの左から右へ、中央へ、そしてまた左から右へと動きまくっていました。ステージからフロアまで、とても特別なエネルギーの流れがありました。でも、特に記憶に残っているのは、みんながステージへと上がった瞬間です。そこにはバンドも観客もありませんでした。みんながステージでジャンプをしていました。(ステージが壊れたらどうしようと不安になるくらいでした)このような素晴らしいスタイルで観客の人たちがステージへと上がったのは、2011年の東京以来です。

でも、一番心に響いたのは、ステージ上でアレックスが放った言葉でした。恐れや、マスクを被らずに、ありのままの自分でいることが、どれだけ大事か。私たちはそれぞれカラフルですが、時にその色を知らなかったり、受け入れたくなかったりします。そして、このようなフェスティバルでの瞬間に、ぴったりだと思いました。というのも、このライブでの経験は本物だからです。人はそれぞれ違うけれども、誰もが歓迎され、目に見えるのは笑顔だけ。それが、ライブ中にも起きていました。その瞬間が終わって欲しくないと思いました。だからこそ、2時間続いたライブのあとも、多くの人とできるだけ長い時間を過ごしたいと思ったんだと思います。視点の違いによると思いますが、とても夜遅くまで、もしくは早朝まで話をしていました 😉

翌朝も、早くに出発しました。再び、スケジュールはキツキツです。Q&Aセッションにサイン会、そしてOtakuthonアイドルには審査員として参加しました。Q&Aは、とても良かったです。ビデオゲーム“Dissidia: Final Fantasy”のサウンドトラック参加曲を作ったときの話をしました。でも、ほとんどは”自分らしくいること”や、自分に正直でいることについて…これが、この週末のキーワードだったと思います。そして、私たちの時間は終わったのだと知らせるために、突然部屋の電気を消され、優しくコンフェレンスルームを”追い出された”あと、次のイベントへと向かいました:サイン会です。

予定では、1時間だったサイン会ですが、結局2時間となり、再び 場所をあけるために追い出されました…!ただのサイン会では、ありませんでしたけどね。ディスカッションは深く、本物で、濃いものでした。遠目からその様子を見て、写真を撮っていた私ですら、その瞬間が本物だというのを感じましたし、そう感じているのが私だけじゃないことも感じました。

そして、Otakuthonアイドルの時間です。ジェフ(音痴であり、歌うたびに毎回、新たな音階を発見する人)が審査員でした。でもジェフは上手くやりきりました。きっと、他の出演者よりも緊張していたでしょうけど…!改めて、恐れや仮面を被ることなく、ここには様々な才能がありました。それはとてもインスピレーションに溢れる光景でした。

私たちは閉会式に出席し、フェスティバルを終えました。そこではOtakuthonのチームやボランティア全員に会うことができました。皆さんひとりひとり、そしてボランティアや参加者全員に感謝をします。このような素晴らしいイベントにしてくれて、どうもありがとうございます!今回は初めての参加だったかもしれませんが、このフェスティバルが皆さんにとって、どれだけ意味のあるイベントなのかを理解したと思います。そして私たちにとっても!

PS:サイン会のあいだに撮った写真を載せておきます。もしも、私が写真を撮ってるのを見かけたのに、自分の写真が見当たらない場合は、ぜひ教えてください!写真を送りますよ 😉

– Stephanie

笑顔に溢れた、Festival d’été de Québec!

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この日、アレックスはサウンドチェックの前にいくつかインタビューをする予定があったので、午前中にケベックシティへと出発しました。というか、移動中すでに、ジェフは電話インタビューを受けました。ほんの数分でしたし、私は車の後部座席に座っていたのでジェフの表情は見えませんでしたが、彼の声色だけでとても喜んでいて、ワクワクしている様子が伝わってきました。インタビュー自体にも喜んでいたでしょう。でもそれ以上に、その日に待ち受けていることに対してワクワクしていたと思います。そして、助手席に座っていたアレックスからも同じ雰囲気を感じました。緊張していてもおかしくなかったと思いますが、そんな感じは全くしませんでした。遂に待ち望んだ、Festival d’été de Québec初出演です。カナダでも最大規模であり、最も歴史あるフェスティバルです。毎日、バンドは彼らの家でありスタジオでもある教会でリハーサルをしながら、セットリストを考えてきました。演奏枠はわずか45分。それこそが、バンドにとって一番のチャレンジだったと思います。”ライブで演奏すべき曲のショートバージョン”からセットリストのドラフトを決めましたが、ゆうに60分を超えてしまいました。そこから楽曲を当てはめていき、全てがスムーズに素早くできるよう確認しました。そうして45分以下まで短縮することができたのです!しかし、それではクラウドに挨拶をすることも、曲を紹介する時間もないと気づきました。とうわけで、再び調整!最終的なセットリストはこうなりました:

– Satsuki Yami
– Empire of Sorrows
– Midnight’s Crashing
– Would You Believe
– A View From Within
– From the City to the Ocean
– Killing Another (“Outside It’s America”ツアー中にセットリストに加えられたThe Cureのカバー)

そして、リハーサルの時間。全てを細かくチューニングします。メンバーがどれだけ細部にまで気を使っているか想像もできないくらいですよ!時間通りに終わらせなければいけないというプレッシャーはあったものの、雰囲気は常に良く、気楽に、けれど真剣に準備していました。それを教会の真ん中で、サンセットの時間帯に行う様は、息を飲むくらい素晴らしいものでした!そして最後にはバンドメンバー同士での乾杯。リハーサル 中に見つけた彼らの繋がり、そしてその後起こること全てに対する乾杯で締めくくられました。

ケベックシティに到着したとき、すでに最初のインタビュアーの女性が待っていました。素早くホテルへのチェックインを済まし、アレックスはインタビューを始め、他のメンバーはコーヒーを買いにスターバックスへと向かいました!タイトなスケジュール。全てのインタビューの合間は、20 分しかありませんでした。次のインタビューまで少し眺めの時間があっても、直接ラジオ局まで移動する必要がありました。本当にギリギリでしたが、何とか間に合わせ、全て滞りなく行うことができました!どのインタビューでも素晴らしい時間を過ごしました。自分たちでも楽しむことができたようです。スケジュールのキツさにストレスはありましたが、全てスムーズにいき、その時間をありのまま受け止め、常にそこには笑いがありました!

そしてサウンドチェックの時間です。この夜、Loto-Quebecステージでは3組のバンドがパフォーマンスをする予定で、その最後のサウンドチェックが私たちでした。いつもそうなのですーサウンドチェックの順番はステージに立つ順番の逆なのです。サウンドチェックに与えられた時間は1時間でしたが、かろうじて30分使ったくらいでした。各メンバーの音が良く聞こえ、サウンドは抜群に良かったです。サウンドチェックが上手くいくと、とても安心します。本番へとポジティブに臨むことができるんです。そして正直、フェンスの後ろに集まった人たち(会場はまだ閉まったまま)が、サウンドチェック中に与えてくれた激励が、全てを更に良くしてくれました!

バックステージ、バンド専用のキャラバンへと戻り、食事をとって、着替えをし、今夜のライブや、また再び 会うのが待ちきれない人々について話をしました。そうして、各メンバーそれぞれが、もうあと数分に迫っているライブへのウォーミングアップをし始めました。ムースはコーヒーテーブルの上にタオルを置きドラム練習、ミス・イザベルとアレックスはボーカル・エクササイズをし、ベン、ジェフとセフは外へ行き、そこら中を飛んだり、蹴ったりしていました。みんなで互いを励まし合ったあと、ステージへと上がりました!

いよいよ、本番です。ライブはあっという間でした!短すぎるくらいでした。バンドメンバーの姿がまだ見えなくとも、“Your Favorite Enemies”のアナウンスがされた途端に、彼らを待ち望むクラウドからの興奮した叫び声が聞こえました。バンドのTシャツを着た人が、会場中いたるところに見えました。仕事を休んだり、何時間も運転してバンドに会いに来てくれた人たち…フェスティバルの会場は人で埋め尽くされていました。会場内の緊張感は目に見えるようでしたが、その夜に予報されていた雷とは何の関係もないように思われました。

メディアピットは様々な人たちに占領されていましたが、動き回ってもぶつからないくらいの広さがありました。そこでも、バンドのライブを楽しみにしている人たちの姿が見受けられました。もう既にバンドを知っている人もいれば、初めてバンドを撮影する人たちもいました。「メンバーが動き回るから、撮影するのに集中して、演奏に気を配れなかったよ」とライブ後、ある友人が言っていました。この気持ちは本当に理解できます!メンバーはステージ上で、野獣と化します。ステージをくまなく動き回り、生き生きとさせ、自分たちが持つパッションをクラウドへと伝染させ、会場全体を一つにするんです。

ライブは良かったです。すごく良かった。私はメディアピットにいながら、ステージ上にいるメンバーたちを見て、笑顔にならざるを得ませんでした。それが全てでした。今回のライブは、これまででも最高のライブでした!彼らが楽しんでいる様子も、ステージ からしっかり伝わってきました。メンバー同士のアイコンタクトから、アレックスが歌うときの挑戦的な目、そして何度もPAシステムへ行き、クラウドサーフィンもしました。演奏しながら互いに叫びあい、笑いあっていたセフとジェフ。ステージの端まで来て片足をウェッジに乗せるベン、セフは長い髪をなびかせ、アレックスはクラウドと一緒にヘッドバンギングしながら汗を飛び散らせていました。そこら中、飛び回っていたジェフ、表現のしようもないベンの表情、集中して一定のリズムを保つムースのドラム、笑顔でリリックを口ずさんでいたジェフ、いつもよりダイナミックに動いていたセフ、ミス・イザベルの自信に満ちた演奏と、アレックスはまるで「楽しんでる!」と言わんばかりに一瞬のウインクをしました。これら全て、バンドのライブで楽しみにしていることです。いえ、一つだけいつもと違うことがありました。ウインクは今回が初めてですが、それ以外はバンドのライブを多く見れば見るほど気づく、彼らのステージ上でのコミュニケーションです!

でも最高の瞬間、今回のライブをまさにマジカルなものにした瞬間は、雨が降ってきたときでした。優しく、けれど、しっかりと。“From the City to the Ocean”の曲が始まったとき、まるで天がこの夜の全てを受け入れてくれたかのように、そしてまるでバンドに「振り返らずに進んでいきなさい。決して一人にはならないから」と伝えているようでした。

星の輝きよりも、もっとキラキラした笑顔でバックステージに戻ってきたバンドメンバー。けれど、夜はまだ終わっていませんでした。もう既に多くをこなしてきた1日でしたが、ライブ後にはアレックスがDJをするアフターパーティーがDagobertで開かれる予定でした。私たちは午後11:45に会場入りし、午前0時にスタートしたパーティーは、午前2:30まで続きました。予定終了時間を過ぎていたにも関わらず、もっと続いていてもおかしくない盛り上がりようでした…!モッシュピット、クラウドサーフィンやクレイジーなダンスで様々なジャンルのプレイリストが、様々に違う人々を楽しませました。本当に最高の夜でした!また、こういう催しをするでしょうか?きっと、すると思います!それまで、しばらく待っててね、ケベックシティ!

忘れないで下さい!今年の夏は他にも色々なフェスティバルに参加します!バンドのライブを見るチャンスを逃さないで下さい!

8月8日 – Otakuthon @ Palais des congrès de Montréal
8月22日 – Rock Fest pour la Santé Mentale @ L’Épiphanie
8月27日 – Festival de la Poutine @ Drummondville

– Stephanie

ケベックシティ、忘れられない一夜

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今夜のライブで何を期待して良いのかわかりませんでした。1月にYFE本部で共有した時間のあと、再びあのような感情を味わうのは正直難しいのではないかと思ったんです。Your Favorite Enemiesにおいて、瞬間は本当にその”瞬間”だけ。二度と戻ってきません。これについては良く知っています。彼らと一緒に住んでいるだけでなく、私はツアーにもついて行きますから。そして今回は、正直言って、何を期待して良いのか分かりませんでした。私は、この日のためにリハーサルしてきたバンドを見ています。これまでにないくらい、その時の瞬間へと自分をさらけ出し、今回のライブも一生に一度のものだと確信をしていました。でもライブ当日、私はある気持ちを振り落とせずにいたのです…もしもライブがYFE本部で行ったものに匹敵しなかったら?前回のライブに参加した人が今夜のライブに満足しなかったら?それが周りの人にも影響したら?そして、当日の朝ケベックシティへと出発したときも、この不安はまだ私の中に残っていました。私の頭の片隅にあり、はっきりとは見えないけど、確実にあると感じざるを得なかったのです。ケベックシティに到着してからは、インタビュアーがもう既に待っていたので、急いでコートを脱ぎ、すぐさまインタビューを行いました。

午後の予定はこんな感じです:インタビューとサウンドチェック。全てスムーズにいきました。とってもスムーズに!すごく良かったので、心にあった疑いがいつの間にか消えていました。私の心にあったのは唯一、今夜のライブへの興奮だけ。サウンドチェックが終わり、インタビューも終わりに近づこうとした頃、ライブ会場に人が集まり始めました。会場への扉が開くまでにはあと一時間ありましたが、建物のドアはもう開いていたのです。徐々に、ワクワクしていきました。YFEのクルーたちは会場近くのレストランで、ライブ前に集まってくれた60人もの人たちとディナーを楽しんでいました。それを見て、今夜もきっと大丈夫だと思えたのです。こんな不安を抱くなんて、きっと私だけだったでしょうね。人がライブに来るときに期待することはパフォーマンスを見ることではなく、その瞬間を生きることですから。

そして、その瞬間がようやく来ました…バンドがステージに上がる時間。会場内に流れていた音楽が止まり、部屋は暗くなり、バンドメンバーの背後に映るプロジェクションとともに、1曲目が始まりました!最初の 2曲は、テクニカルな面において、いつも大変なんです。ストロボライトの演出で、タイミングが合わず写真は真っ白か真っ暗。なので、いつも最初はあまり写真を撮らずに、その瞬間を少し楽しみます。でも、その数秒間だけでも、今回のライブが他と比べても、YFE本部で行ったライブと比べたとしても、引けを取らないだろうと確信しました。とてもユニークな瞬間になると思ったのです。でも、それがどれくらいのものかは、全く予想できませんでした。私は自分の感情をあまり表に出すタイプではありませんが(というか少なくとも、隠すのは上手いと思ってます!)、この日の、この瞬間は、何も気にしませんでした。その瞬間は、私と音楽だけでした。まるで、誰も、何も周りにないかのように。もしくは、自分の周りに300人の人がいたと分かっていても、全く気にしませんでした。ステージ上での解放のレベルや、曲をインプロで行い、リハーサルと全く違うことをする彼らに、私はふいをつかれたのです。もちろん、私のカメラとともに。だけど、主には私の感情が!そして、クラウドを見渡しました。何時間もかけてここまで来てくれた人、飛行機が怖いのに意を決して初めて乗って、私たちに会いに来てくれた人、この週末のためだけにUKからサプライズで来てくれた人、何時間もかけて運転し、このユニークな時間を共有しに来てくれた人…。体調を崩してるのにも関わらず、足を運んでくれた人や、「YFEがどういう人たちで、ライブ前やライブ中、そしてライブ後に分かち合う瞬間を見せたいと思って」恋人や家族を連れて来た人たちなど…私たちはみんな違いますが、みんな同じです。私たちが欲しいもの、本当に必要としているもの、それは自分の居場所を見つけることであり、家と呼べる場所を見つけること。愛されていると感じる場所を見つけることです。それがYFEの瞬間の全てなんだと思います…それぞれの理由と、それぞれの方法で、この夜、私たちは家を見つけました。

カメラを持ち直して、写真を撮り続けたことを少し後悔しています。たとえ、解放という感情が今も私にとって未知なるものだったとしても、そういう感情が最初は怖かったとしても、真実に他ありません。そして、これを書いている今も、その感情はしっかりと残っています。Your Favorite Enemiesのライブは本当に素晴らしい経験です。あなた自身もそれを経験できる 日が来ると良いのですが。あなた自身の感情こそ、私が伝える言葉よりも大きな声となるでしょう。そして願わくば、私の心に響いたものと同じコードがあなたにも響きますように!このライブは再び、未知なるものへと飛び込むことの大切さを見せてくれました。疑いによって自分を止めることはしちゃいけないんです。結局、私たちは後悔するには若すぎるんですよ 😉

– Stephanie