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ドラモンヴィルとYFE : ラブストーリー

Written by Your Favorite Enemies. Posted in カテゴリーなし

ここに越してきてから、もう6年。数ヶ月間かけて場所を探し、更にもう数ヶ月間を手続きに費やしたのち、ようやく正式にバンドのものとなりました。しかし、その時からドラモンヴィルは本当に私たちの家となったのです。ただ住んでいる場所としての家ではなく、本当の”家”に。みんな、すぐさま温かく迎え、歓迎してくれたんです。引っ越してからというもの、海外ツアーに参加することが多かったので、ドラモンヴィルでライブを行ったことがありませんでした。なので、Festival de la Poutine (プティン・フェスティバル)からの招待は、バンドにとって素晴らしい光栄でした。

2008年、別のドラモンヴィル・バンドからはじまったこのFestival de la Poutineは、純粋に素晴らしかったです。バンドとしてフェスティバルに望むものが全て揃っていました。スタッフは気が効く人たちばかりで、バンドのことを気遣ってくれていると感じましたし、電力は至る所に通ってるし、エスプレッソマシーンや湯沸かし器もあり、食事も美味しいし、ヘヴィすぎることもありませんでした。(えぇ、プティンはありましたが、他にも色々と用意されてたんです) 他のバンドとも、普段よく感じるようなライバル意識はなく、フレンドリーな雰囲気が感じられました。ファミリー的な雰囲気だったんです。


ステージ上でのスペシャルゾーン。自分の場所に行く前に乗り越えなきゃいけません。ストレスは厳禁!


オリジナル・プティン時計!木曜の夜に出演するバンドのラインナップとともに。


ドラモンヴィルはインターナショナルな場所…サインは中国語にまで翻訳されていました!


バンドのテントは全てドラマーの名前。フェスティバルを企画したバンドのドラマーによって、プリントされたんだろうと思います!


本番前にアーティストエリアでくつろいでいます。


セットリストにファイナルタッチを加えています。いつも驚くことは、アレックスが自分の書いた字を読めること…まさに、アーティストの字ですね!


ステージへ上がる前のヴォーカル・エクササイズは欠かせません!


鏡が近くにない?心配は無用、車の窓が鏡代わりになってくれます!


ステージへ上がる直前…そして、ショーを始めましょう!

私はライブが始まる前にステージに立って、観客の方を見ました。そこに見えた沢山のYFE Tシャツやパーカーに、ただ驚くばかりでした!そこら中に見えるだけでなく、他のTシャツよりも目立っていて、目がどうしてもそこに行ってしまうんです!なんて素晴らしい人たちだったんでしょう。北米のいたるところから参加し、長時間の移動を経てバンドに会いに来てくれた人たちもいました。気付いたことがあるんです。YFEのライブを見ることは、伝染するんだということを。一度バンドのライブを見ると、もう一度見たくなる。そして、この夏のあいだは、バンドのライブを初めて見る人たちばかりでした!彼らの質問はいつも同じ…次のライブはいつ?いつ、またライブが見れるの?そして、今回のライブは最高でした!私は写真を撮るのに、よくスピーカーの前に行くことが多いんですが、常に感じるのは攻撃性です。ある時点までは、大きな音も良いんですが、それを過ぎると攻撃されてるように感じます。私がスピーカーの近くに長時間いるとき、いつもそう感じるんですー全身、アタックされてる!と。でも今夜は違いました。今夜は、ただラウドだっただけ。攻撃を受けてると感じるようなレベルには到達しませんでした。ラウドすぎたでしょうか?えぇ。でも、今回は初めてスピーカーの前にいるのが間違いだと感じませんでした!問題なくバンドの細かい音まで聞こえました。どの音も、静かなときと同じように、ステージ上や観客のみんなと一緒に踊っていました。ライブはその不完全さの中で、完璧でした。Your Favorite Enemiesのように。私たちみんなが、そうであるように。夏を終えるのに、これほど良い音色は他になかったでしょう… 🙂

– Stephanie

笑顔に溢れた、Festival d’été de Québec!

Written by Your Favorite Enemies. Posted in カテゴリーなし

この日、アレックスはサウンドチェックの前にいくつかインタビューをする予定があったので、午前中にケベックシティへと出発しました。というか、移動中すでに、ジェフは電話インタビューを受けました。ほんの数分でしたし、私は車の後部座席に座っていたのでジェフの表情は見えませんでしたが、彼の声色だけでとても喜んでいて、ワクワクしている様子が伝わってきました。インタビュー自体にも喜んでいたでしょう。でもそれ以上に、その日に待ち受けていることに対してワクワクしていたと思います。そして、助手席に座っていたアレックスからも同じ雰囲気を感じました。緊張していてもおかしくなかったと思いますが、そんな感じは全くしませんでした。遂に待ち望んだ、Festival d’été de Québec初出演です。カナダでも最大規模であり、最も歴史あるフェスティバルです。毎日、バンドは彼らの家でありスタジオでもある教会でリハーサルをしながら、セットリストを考えてきました。演奏枠はわずか45分。それこそが、バンドにとって一番のチャレンジだったと思います。”ライブで演奏すべき曲のショートバージョン”からセットリストのドラフトを決めましたが、ゆうに60分を超えてしまいました。そこから楽曲を当てはめていき、全てがスムーズに素早くできるよう確認しました。そうして45分以下まで短縮することができたのです!しかし、それではクラウドに挨拶をすることも、曲を紹介する時間もないと気づきました。とうわけで、再び調整!最終的なセットリストはこうなりました:

– Satsuki Yami
– Empire of Sorrows
– Midnight’s Crashing
– Would You Believe
– A View From Within
– From the City to the Ocean
– Killing Another (“Outside It’s America”ツアー中にセットリストに加えられたThe Cureのカバー)

そして、リハーサルの時間。全てを細かくチューニングします。メンバーがどれだけ細部にまで気を使っているか想像もできないくらいですよ!時間通りに終わらせなければいけないというプレッシャーはあったものの、雰囲気は常に良く、気楽に、けれど真剣に準備していました。それを教会の真ん中で、サンセットの時間帯に行う様は、息を飲むくらい素晴らしいものでした!そして最後にはバンドメンバー同士での乾杯。リハーサル 中に見つけた彼らの繋がり、そしてその後起こること全てに対する乾杯で締めくくられました。

ケベックシティに到着したとき、すでに最初のインタビュアーの女性が待っていました。素早くホテルへのチェックインを済まし、アレックスはインタビューを始め、他のメンバーはコーヒーを買いにスターバックスへと向かいました!タイトなスケジュール。全てのインタビューの合間は、20 分しかありませんでした。次のインタビューまで少し眺めの時間があっても、直接ラジオ局まで移動する必要がありました。本当にギリギリでしたが、何とか間に合わせ、全て滞りなく行うことができました!どのインタビューでも素晴らしい時間を過ごしました。自分たちでも楽しむことができたようです。スケジュールのキツさにストレスはありましたが、全てスムーズにいき、その時間をありのまま受け止め、常にそこには笑いがありました!

そしてサウンドチェックの時間です。この夜、Loto-Quebecステージでは3組のバンドがパフォーマンスをする予定で、その最後のサウンドチェックが私たちでした。いつもそうなのですーサウンドチェックの順番はステージに立つ順番の逆なのです。サウンドチェックに与えられた時間は1時間でしたが、かろうじて30分使ったくらいでした。各メンバーの音が良く聞こえ、サウンドは抜群に良かったです。サウンドチェックが上手くいくと、とても安心します。本番へとポジティブに臨むことができるんです。そして正直、フェンスの後ろに集まった人たち(会場はまだ閉まったまま)が、サウンドチェック中に与えてくれた激励が、全てを更に良くしてくれました!

バックステージ、バンド専用のキャラバンへと戻り、食事をとって、着替えをし、今夜のライブや、また再び 会うのが待ちきれない人々について話をしました。そうして、各メンバーそれぞれが、もうあと数分に迫っているライブへのウォーミングアップをし始めました。ムースはコーヒーテーブルの上にタオルを置きドラム練習、ミス・イザベルとアレックスはボーカル・エクササイズをし、ベン、ジェフとセフは外へ行き、そこら中を飛んだり、蹴ったりしていました。みんなで互いを励まし合ったあと、ステージへと上がりました!

いよいよ、本番です。ライブはあっという間でした!短すぎるくらいでした。バンドメンバーの姿がまだ見えなくとも、“Your Favorite Enemies”のアナウンスがされた途端に、彼らを待ち望むクラウドからの興奮した叫び声が聞こえました。バンドのTシャツを着た人が、会場中いたるところに見えました。仕事を休んだり、何時間も運転してバンドに会いに来てくれた人たち…フェスティバルの会場は人で埋め尽くされていました。会場内の緊張感は目に見えるようでしたが、その夜に予報されていた雷とは何の関係もないように思われました。

メディアピットは様々な人たちに占領されていましたが、動き回ってもぶつからないくらいの広さがありました。そこでも、バンドのライブを楽しみにしている人たちの姿が見受けられました。もう既にバンドを知っている人もいれば、初めてバンドを撮影する人たちもいました。「メンバーが動き回るから、撮影するのに集中して、演奏に気を配れなかったよ」とライブ後、ある友人が言っていました。この気持ちは本当に理解できます!メンバーはステージ上で、野獣と化します。ステージをくまなく動き回り、生き生きとさせ、自分たちが持つパッションをクラウドへと伝染させ、会場全体を一つにするんです。

ライブは良かったです。すごく良かった。私はメディアピットにいながら、ステージ上にいるメンバーたちを見て、笑顔にならざるを得ませんでした。それが全てでした。今回のライブは、これまででも最高のライブでした!彼らが楽しんでいる様子も、ステージ からしっかり伝わってきました。メンバー同士のアイコンタクトから、アレックスが歌うときの挑戦的な目、そして何度もPAシステムへ行き、クラウドサーフィンもしました。演奏しながら互いに叫びあい、笑いあっていたセフとジェフ。ステージの端まで来て片足をウェッジに乗せるベン、セフは長い髪をなびかせ、アレックスはクラウドと一緒にヘッドバンギングしながら汗を飛び散らせていました。そこら中、飛び回っていたジェフ、表現のしようもないベンの表情、集中して一定のリズムを保つムースのドラム、笑顔でリリックを口ずさんでいたジェフ、いつもよりダイナミックに動いていたセフ、ミス・イザベルの自信に満ちた演奏と、アレックスはまるで「楽しんでる!」と言わんばかりに一瞬のウインクをしました。これら全て、バンドのライブで楽しみにしていることです。いえ、一つだけいつもと違うことがありました。ウインクは今回が初めてですが、それ以外はバンドのライブを多く見れば見るほど気づく、彼らのステージ上でのコミュニケーションです!

でも最高の瞬間、今回のライブをまさにマジカルなものにした瞬間は、雨が降ってきたときでした。優しく、けれど、しっかりと。“From the City to the Ocean”の曲が始まったとき、まるで天がこの夜の全てを受け入れてくれたかのように、そしてまるでバンドに「振り返らずに進んでいきなさい。決して一人にはならないから」と伝えているようでした。

星の輝きよりも、もっとキラキラした笑顔でバックステージに戻ってきたバンドメンバー。けれど、夜はまだ終わっていませんでした。もう既に多くをこなしてきた1日でしたが、ライブ後にはアレックスがDJをするアフターパーティーがDagobertで開かれる予定でした。私たちは午後11:45に会場入りし、午前0時にスタートしたパーティーは、午前2:30まで続きました。予定終了時間を過ぎていたにも関わらず、もっと続いていてもおかしくない盛り上がりようでした…!モッシュピット、クラウドサーフィンやクレイジーなダンスで様々なジャンルのプレイリストが、様々に違う人々を楽しませました。本当に最高の夜でした!また、こういう催しをするでしょうか?きっと、すると思います!それまで、しばらく待っててね、ケベックシティ!

忘れないで下さい!今年の夏は他にも色々なフェスティバルに参加します!バンドのライブを見るチャンスを逃さないで下さい!

8月8日 – Otakuthon @ Palais des congrès de Montréal
8月22日 – Rock Fest pour la Santé Mentale @ L’Épiphanie
8月27日 – Festival de la Poutine @ Drummondville

– Stephanie

大惨事がミラクルに変わるとき

Written by Your Favorite Enemies. Posted in カテゴリーなし

始まりは大惨事でした。本当の。午後2時頃、ドラモンビルからケベックシティへと移動中、今回のライブ会場であるはずだったThèâtre Petit Champlainに全く電気が通っていないことを知りました。去年の8月から告知をし、カナダ全国だけでなく、アメリカ、フランス、ドイツ、日本やオーストリラリアの世界中から、人が集まったライブでした。長距離電車、フライト、ホテルでの宿泊…そのワクワク感はいつもとは比べものにならないくらいです。なのに、ライブがキャンセルになったと伝えなければならないのでしょうか?そんなことはできません。バンドはティム・ホートンズに立ち寄りました。こんな時は、どこへ行ったって心が晴れないものです。喉を潤すためというよりも、そうする必要があったのでコーヒーを頼み、テーブルに座って、自分たちに何ができるかを分析しました。自分たちにできることは、そう多くありませんでした。違うライブハウスを借りたかったのですが、それは不可能でした。ライブをキャンセルせざるを得なくなった場合、他のライブハウスでも演奏はできないという条項があったのです。どこか皆で集まれるような部屋を借りようかとも思いましたが、古いケベックの街では全てが小さく、今夜来る予定だった300人ほどの人数が一度に集まるのは無理がありました。そこで、アレックスは突拍子もないアイディアを思いついたのです。YFEが所有する教会でライブをすること。でもライブができるくらいパワフルなスピーカーがありません。なのでレンタルすることにしました。皆は移動のための車を持っていません。ケベックシティからドラモンビルまで、行き帰りができるようバスをレンタルすることにしました。でも、やっぱりめちゃくちゃなアイディアです!時間までに全てを準備できるでしょうか?どこで皆をバスに乗せたら良いでしょうか?ライブをすることを内緒にしながら、どうやって皆に情報を伝えたら良いでしょうか?私は何をしたらいいか、何を考えるべきか分かりませんでした。というのも、私たちの教会に人を集めてライブをすることは、いつかやりたいと願っていたことです。5年前に教会を購入したときから、私たちが抱いていたヴィジョンでした。マージョは、”今夜、運転手付きの大型バス”をレンタルするために、バス会社に電話をし始めました。ベンは、”今夜、スピーカーを家まで届けてくれる(閉店までに取りに行くのは無理だったので)ところ”を探して、ミュージックストアに電話をし始めました。無茶苦茶です。ライブから数日経った今でも、無茶苦茶だったと感じます。私たちは家にいた人たちに電話をして、準備を頼みました:皆へのドリンク、クロークルームの設置、皆がブーツを脱げる場所の確保など。そして、一部のバンドメンバーとクルーが家へと戻る中、ジェフ、ミス・イザベル、マージョと私はケベックシティへ行きました。ライブ前に集まる予定だったレストランにて、ライブのキャンセルを伝えるために…。でも心の中では、誰も予想していないだろう方法で皆を驚かせることができると、ワクワクしていました。私たちは軽く挨拶を済まし、ジェフがアナウンスをしました。このニュースに多くの人ががっかりしました。遠く飛行機に乗って来た人たちや、家から長時間かけて移動してきた人たちは、メール等にアクセスができなかったため、この時まで全く知らなかったのです。みんな信じられませんでした。信じたくありませんでした。どこかに隠しカメラがあって、冗談を言っているんだと思ったくらいでした。でも、真剣なままのジェフの顔を見て、皆それが冗談ではないことを知りました。そこで爆弾を落としたのです。”でも!僕らは大型バスをレンタルしたから、それに乗ってYFE本部のあるドラモンビルへ行き、そこでライブを決行するよ!” 拍手喝采にヒュ〜と言う口笛、私はみんなが泣くんじゃないかと思いました。このニュースで部屋の空気は一気に活気溢れるものに!それがどれだけ魔法のようになるのか、この時はまだ知りませんでした。私たちはバスに乗り、モントリオールへとバスを走らせました。

移動中、私は家で全てを準備していた人たちから、たくさんのテキストメッセージを受け取りました。皆がどんなリアクションをしたのか、何を話しているのか、全部うまくいっているか…そうして、私はあるテキストを受け取ったのです。”今からやろうとしてることは自殺行為だ” そして私はまた不安になりました。今夜自分たちの望むように本当にできるんだろうか。あらゆることに対抗している気がする…。だって、ここ数週間で、セフはサッカーボールを受け取ったときに小指を折り、そのせいでライブをキャンセルすべきかと考えたくらいだし、そしたら当日になって地下爆発のせいでライブハウスの電力が全てカットされてしまったし…。ここのライブハウスがショーをキャンセルしたのは、50年ぶりだそうです。50年ですよ!何でそれが私たちのライブなんでしょうか?このライブは起こるべきではないのかも?ただおとなしく、楽しくみんなと時間を過ごすだけにした方がいいのかもしれない。でも、せっかく機材も、バスもレンタルしたのに?ライブのキャンセルが知らされたときの、ジェフの怒りようを思い出しました。”みんな音楽のために来たんだ。どこへ行っても経験できないようなこの交流のために。だから僕らは音楽を届ける。それ以外にない。わかったか?” ジェフの言葉が、どんどん不安になっていく私の頭の中で響いていました。そして私はiPhoneから目をそらし顔をあげ、バスの中にいるみんなを見渡しました。数分前まではお互いを全く知らなかった人たちが、今では長年の友人かのように楽しく話している、この興奮。それは直接、音楽の力によるものではありませんが、彼らの間には音楽という架け橋が存在します…そうして私はもう疑うのを止めました。今日は、YFE本部で演奏される音楽を通して、さらなる奇跡が待っていると信じました!

家に着き、急いで中に入りました。私はある重要なものをまだ手に持っていたのですー今夜のセットリスト 😉 下へ行き、ブーツを脱いで、今夜ライブが行われる教会の大広間、Upper Roomへと向かいました。そして、その光景に私は言葉をなくし、涙が溢れてきました。そうです。今夜は絶対に奇跡を見るに違いない!そう確信しました!

午後11時、私はマイクを握って、バンドを紹介しました。今夜のことは内緒にしていてほしいことと、ライブ中はカメラや携帯をカバンの中に閉まってほしいこと。今夜、この瞬間は彼らのためでした。カメラを通してではなく、音楽を最大限に感じて欲しかったのです。フィルターなしに、ありのままの瞬間を体感し、その瞬間が導く解放を感じて欲しかったのです。いつもライブ会場で音楽を楽しむような方法とは違うかたちで、思い切り音楽を体験して欲しいと思ったからでした。

そして何というライブだったんでしょうか。そこは教会ではなく、ある一つの世界そのものでした。個々にライブを見ているのではなく、皆で一体となっていました。まるで時間が止まったかのよう。あの瞬間には、この特別な交流以外、何も存在していないかのようでした。まるで他に大事なことなど何一つないかのように。クラウドの外から写真を撮っていた私にとって、その光景はまるで映画のようでした。こんなことが実際に起こるなんて有り得ない。これが本物だなんて有り得ない。そして、“From The City To The Ocean”の曲中、カメラを通してではなく、自分の目でその光景を見たとき、こう感じずにはいられませんでした。”この雰囲気、この空気、今この場で起きていること…これこそ、私が今もここにいる理由。今の私をつくっているもの。今ここで起きていることがまさに私が生きている理由。生きているとはどんな感覚かを知っている理由。そして、だからこそ私が海から街へと歩き出した理由。憂いと変遷を旅し始めた理由。” この夜この場にいられたことへの感謝で、だんだんと涙が目に浮かんできたとき、私は皆さんのことを想いました。私たちの物語がどれだけ普通じゃないものか。どれだけ奇妙な出来事によって、私たちが互いと出会い、知り合い、家族や兄弟、姉妹と呼ぶのを妨げたか。私たちを互いに一つにしたのは音楽ではありません。偶然じゃないんです。そんなものよりも、もっと素晴らしいもの。一生かかっても理解できないだろうことであり、理解する必要もないこと。それこそ、私たちが受け取れる最も美しい贈り物じゃないかと思うのです。そこに理解は必要ない。ただシンプルに生きればいいだけ。そして時々、それを最大限に生きることは、自分たちの頭で考えていることと真逆のことだったりするんです。もしも、それが私の印象だけだったとしたら、私は今ここにおらず、誰とも出会っていなかったでしょう。そして、私は今夜の奇跡が、全員をYFE本部に連れてライブをすることではないことに気づきました。本当の奇跡は、私たち全員が一緒にいたこと。バンドメンバー、YFE本部で一緒に生活をしている私たち、そして私たちと一緒にいたあなた。あの夜起きた本当の奇跡は、私たちです。きっと、あの夜、何が起ころうとも、何を感じようとも、何を経験しようとも、そう感じることができたでしょう。そして、これは何か新しいものへの始まりにすぎないのです…

熟睡とは呼べない、寝不足気味な夜を経て、翌日はまたケベックシティへ向かい、来てくれた人たちと一緒にブランチを楽しみました。みんな疲れ切っていたはずですが、それでもその疲れを誰からも感じませんでした。反対に、みんなの笑顔や笑い声が響いていました。いつものように、食事はあまり重要でないんですね。この時間はみんなで一緒に過ごすことについてでした…写真を撮り、アルバムや本にサインをしたり、前夜行ったライブについて話したり、今後起こりうることについて話したり、私たちのパッションや恐れなどについても…何のフィルターもなしに、互いに正直に会話をしました。このブランチは2時間の予定でしたが、結局その2倍の時間を過ごしました。太陽が沈みかけていなかったら、そして古いケベックの街を歩きたいという希望がなければ、まだまだ喋り続けていたと思います!結局、私たちにとっては全てが始まりに過ぎないのです…

そして最後に、こんな夢のように素晴らしい週末を過ごしたあと、現実を最大限に経験することは自分が夢見るどんなものよりも素晴らしく、人生で直面するいかなる惨事も最高の出来事に変えることができると確信を持って言えると思います…