エネルギーに溢れた瞬間
私はPianosでのライブを楽しみに(そして、緊張も!)していたわ。だって、このライブはバンドにとって大事なショーケースで、私がYour Favorite Enemiesと演奏するのは久しぶりでもあったから。ライブを観るために、沢山の人が大きなバスに乗ってアメリカの国境をまたいで来るって聞いて、私の興奮は高まるばかりだった!このイベントに参加するために、初めてパスポートを作成した人がいたり、休みをくれるよう上司にお願いしなきゃいけなかった人もいた。(もしくは嘘ついたりね…人によるわ!笑)そして、何よりも、そのほとんどの人たちが、お互い全く知らない人たちと同じバスに乗って、ユニークで予測不可能な旅に乗り出したのよ。
ライブ会場の扉が開くのを車の中で待っていたのを覚えてる。ニューヨークのガヤガヤした通りを見つめながら、「もしかしたら、私たちは歴史をつくっているのかも?」って思ったわ。パティ・スミスやキム・ゴードンが、あるとき、この通りを歩いて、コーヒーを飲んだり、マディソン・スクエア(NYでもお気に入りの公園よ)を歩いたりしたみたいに、もしかしたら、今回のライブは私が理解できる以上に意味のあることなのかもってね。ニューヨークは夢を刺激すると思うわ。だって、最初は社会不適合者のようだと思われていた、たくさんの人たちが、のちにパイオニアとなり、トレンドセッターとなり、アート世界に変化を与える人たちとなったんだもの。
でも、私は疑いを抱いた…「歴史をつくってるなんて、自分を誰だと思ってるのかしら?」私は時々、矛盾した考えを持つの…自分は世界を変えられるって思った次の瞬間、自分の人生を生きるのが怖くなったりする。勇気と疑いの間で思いを巡らせながら、それでも、この写真を撮った。自分の疑いの声に「いつか、この写真が今日起きたことの証になる」って囁きながら。
あの夜、私はみんなが心を開いてくれたことに感動したの。ライブ中のとってもインスピレーションに溢れた瞬間や、そのあとも、コンサートに来てくれた人たちと一緒にタイムズ・スクエアまで歩き、ワインを一緒に飲んで、パッションやコミュニティについての言葉をシェアした。
あれは1年前。そして、今なら「私たちは歴史をつくった」って言えるわ。だって、この日のことは、私たちの心に深く刻まれてるもの。ニューヨークのガヤガヤした日常を見たけれど、それよりも、もっとよく覚えているのは、お互いに与えあったものが、どれだけ私たちの心を活気付けてくれたかということ。それは今でも心にあって、さらなる望みを生んでる。もっと音楽を、もっと情熱を、もっと心の繋がりを、もっと人生をってね。
– Miss Isabel