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初めてのスイス…忘れられない思い出!

Written by Your Favorite Enemies. Posted in Shadows Of Dreams To Come Tour

ライヴ前、“あと4時間もある” が、“クソッ、あと4時間しかない” に変わるのってクレイジーです。特に2時間遅れで会場に着いたときは。何で2時間も遅れたのかって?どうやら、ドイツからスイスへの国境をまたがなきゃいけなかったようですね。パスポートも何も見せる必要はありませんでしたが、ツアーバスを空にして、申請したものや、し忘れたものの、チェックを受けなければなりませんでした。でも、それはスムーズにいったんです。何が一番時間を要したかというと、バスの機械の一部が壊れたからでした。ベルンまであと20分のところで、みんなが寝ていた午前5時頃、バスの空気圧処理機が壊れたのです。運転手はバスを端に止め、緊急に修理するよう業者を呼びました…!結局ライヴハウスには到着したものの、スケジュールから大幅に遅れていました …ということは、オリジナルのスケジュールへと合わせるために、サウンドチェックはさっさと短く終わらせなければなりません。たいてい、こういうタイプのシチュエーションはストレスが一気に高まります。でも今回は、全くでした。全くストレスなし。起きるだろうことが起きるだけ。とてもシンプル。だって、ストレスが役に立ちますか?いいえ。なので、みんなただリラックスして、すべきことに集中し、全てスムーズにいきました。これには、私はとても驚かされました。でも、これこそ、みんなで一緒に成長した姿の反映なんだと思います…平和は心の中から生まれるものであって、状況からではないことを学んだんです。望まない状況はいつだってあります。起こらないでほしかったと願うこともあります。でも何となく、そのような要素も私たちの無重力飛行に、引力を加えはしないようです。

そしてスイスでの初めてのライヴは、最高でした!何を期待して良いか、どんな風になるのか全く想像できませんでしたが、バンドがステージで解放するのと同じレベルで、人々は応えてくれると分かっていました。そして、本当に魔法のようでしたよ。今夜来てくれたSéverineとPascalに聞いてみてください。きっと彼らが教えてくれると思います… 🙂

私たちは夜の間にウィンタートゥールへと移動しました。誰も聞いたことのない街です。私たちのうち誰も移動中の景色を見ていませんでした。通り過ぎた村や街は遠い夢の中のゴーストだったのです。というのも私たちみんな、朝ライヴハウスに到着するまでバスの中で寝ていましたから。夢の中のゴーストかもしれません。それでも、到着したときにみた雨の降る街は、とても生き生きしていました。Trail of Dead&Midnight Massesと一緒にツアーに出てから、雨が降り続いているように感じます。スイスのどの街の美しさも見れていません。でも、未だ未知のままの国でライヴをするたび、その人々の心を通して、ここがどのような場所なのか発見できるだけ、私たちは恵まれていました。そして一度ライヴが終わったとき、初雪が降ったことを知りました。そう、11月の初めです。私は冬が嫌いですが、この初雪は私たちにとって恵みであり、たとえ気がつかなくても奇跡は起こりうるんだということを思い出させてくれました。たとえ、直にその奇跡を見ていなくても、それは真実であり、同様にパワフルで素晴らしいものなのだと。というのも、目に見えないから存在しないというわけではありません。目に見えないものから学ぶべきこと、発見すべきことが多くあります。そして目で見える以上を信じることこそ、不可能を信じるためのちょっとした秘密なのです。何故なら結局、私たちを見てください。私たちはみんなまだ一緒にいます。会うべきでなかった、そして一緒にいるべきではない何人もの人間が、それでも本当の家族として。

そしてルツェルンでのライヴです。ツアー最初の休日前、最後のライヴ(まぁ、それはまた別の話ですよね?)。私たちは早朝に到着し、少し外を歩くことにしました。ルツェルンはとても美しい街で、見るべきものが色々あると聞いたので、各自であまり雨が降っていないのをいいことに、散歩へと出かけることにしたのです。私は道の途中で、ジェフ、セフとミス・イザベルに会いました。どこへ行くべきか、どこを見るべきか分からず、私たちはみんな丘に建つ街の目の前にある湖を見つけていました。セフ曰く、“アヒルも触れられるくらい良い”場所です。まぁ、毎回触ろうと近づくたびに、アヒルが逃げ続けたので、セフはアヒルに触れていないんですけどね。でも何というか、アヒルを責めることはできません。私だって、セフが近づいてきたらそうしますもん…

私たちはUKからの親愛なる友人スーによって素晴らしく迎えられました。バンドのライヴを観に、そしてこの美しい街で数日を過ごすために来てくれた人です。彼女が最後にバンドのライヴを見てから、どれだけ雰囲気が変わったかを教えてくれました。彼女はバンドのライヴを数多く見ているのです。北米、ヨーロッパ、アジアと…多分、一番多くライヴを見た人の記録があるとしたら、きっと彼女がチャンピオンだと思います 😉 でも彼女は正しいです。雰囲気は変わりました。それはもう否定できないものです。少し例を出すと、サウンドチェックの間、楽器ごとにチェックするのではなく、バンドメンバーは一人のメンバーの音にどんどんレイヤーを加えていき、新しい曲ができあがりました。いつも家でリハーサルするときに行っているように。“次のアルバムの一曲かもね?”とアレックスが言いました。未来のことは誰にも分かりませんし、今は誰も気にしませんでした。少なくとも私は、ただステージの上で自由に楽しむ彼らを見て、シンプルに嬉しかったんです。今ちゃんと言葉として書こうと思い出しても、やっぱり最高だったと思います。“Between Illness And Migration”の創作プロセスには一人一人が全力を傾けました。そして今でも。“僕らの全てをかけて生まれるものだというのは分かっていたけど、自分がどれだけ持っているのかは分からなかった”…そして何となく、次のアルバムにも全力を費やすことが分かっていても、これまで以上にどの瞬間も大切にされると思います。本物の瞬間がどれだけ貴重か、どれだけごまかせないか、そして一瞬でもどれだけ人生を変える瞬間になり得るか知っているので…そしてサウンドチェックの数時間後、バンドは破壊的に激しい平和とともに、ステージに立ちました。そこにある全ての壁を取り壊すように。それが何でつくられていても…

そして休日のあと、私たちはスイスへと戻り、この国でも最後のライヴを行いました…このライヴ後にはもうスイスに戻ってこないということが信じられませんでした。なので、盛大なパーティーにすることにしたのです。今までしたことないくらいのパーティー。ライヴハウスは周りに何もない場所に建っていました。古い電車の駅と、かつて栄えたのであろう、今はすっかりさびれてしまった工場があるだけ。人々が協力してこの場所を買い取り、できる限りライヴハウスへと改造したのです。それが今夜のライヴハウスBiomillでした。1ヶ月に1度、人々がボランティアで集まり、音楽イベントを開催するのです。1ヶ月に1度ですよ。そして、このフレンドリーで温かい歓迎をしてくれるこの場所の今月のラッキーなゲストがYour Favorite Enemies、Trail of DeadとMidnight Massesでした。プロモーター/オーナーは、今夜はソールドアウトで、この場所には300人入ると教えてくれました。とても狭かったので、信じ難かったですが!フロアも狭ければ、ステージもそうでした。セフはロードケースを使ってステージを広げなきゃいけなかったんです(彼のスペースシップが大きすぎるというわけではありません…決して!)

でもスイスの人たちは互いに近づくのが好きなんでしょう。というのも、この夜はとっても熱かったですから!彼らは本当に燃えていました!転換はとても長く、2つのバンドの間に外に出てタバコを吸っていた人たちもいました。でも音楽が聞こえ始めるとすぐに、彼らはステージの前へと集まり、ヘッドバンギングしたり踊ったりしました。ステージにいるバンドメンバーと同じく、人々もまたこの夜に全てをかけているようでした。解放と自由のレベルは魔法のようでした。YFEのライヴに来たことがある人は、きっとこの意味がわかると思います。まるで別世界にいるようでした。その瞬間は、自分がどこにいるのかも、時間すらも何のパワーを持っていません。自分が誰なのかも、どこ出身なのかも、どんなスタイルなのかも関係ありません。一つになったんです。その場にいる人々みんなと。その場にいた人々がみんなで、サウンドとノイズへと解放していました…自らが許す限り、遠くまで。そしてBiomillでは、限界はありませんでした…

スイス、初めての出会いでした。そして、何て最高の第一印象だったんでしょうか!心の底から、どうもありがとう!また会えるのが待ちきれません!

– Stephanie