ケベックシティ、忘れられない一夜
今夜のライブで何を期待して良いのかわかりませんでした。1月にYFE本部で共有した時間のあと、再びあのような感情を味わうのは正直難しいのではないかと思ったんです。Your Favorite Enemiesにおいて、瞬間は本当にその”瞬間”だけ。二度と戻ってきません。これについては良く知っています。彼らと一緒に住んでいるだけでなく、私はツアーにもついて行きますから。そして今回は、正直言って、何を期待して良いのか分かりませんでした。私は、この日のためにリハーサルしてきたバンドを見ています。これまでにないくらい、その時の瞬間へと自分をさらけ出し、今回のライブも一生に一度のものだと確信をしていました。でもライブ当日、私はある気持ちを振り落とせずにいたのです…もしもライブがYFE本部で行ったものに匹敵しなかったら?前回のライブに参加した人が今夜のライブに満足しなかったら?それが周りの人にも影響したら?そして、当日の朝ケベックシティへと出発したときも、この不安はまだ私の中に残っていました。私の頭の片隅にあり、はっきりとは見えないけど、確実にあると感じざるを得なかったのです。ケベックシティに到着してからは、インタビュアーがもう既に待っていたので、急いでコートを脱ぎ、すぐさまインタビューを行いました。
午後の予定はこんな感じです:インタビューとサウンドチェック。全てスムーズにいきました。とってもスムーズに!すごく良かったので、心にあった疑いがいつの間にか消えていました。私の心にあったのは唯一、今夜のライブへの興奮だけ。サウンドチェックが終わり、インタビューも終わりに近づこうとした頃、ライブ会場に人が集まり始めました。会場への扉が開くまでにはあと一時間ありましたが、建物のドアはもう開いていたのです。徐々に、ワクワクしていきました。YFEのクルーたちは会場近くのレストランで、ライブ前に集まってくれた60人もの人たちとディナーを楽しんでいました。それを見て、今夜もきっと大丈夫だと思えたのです。こんな不安を抱くなんて、きっと私だけだったでしょうね。人がライブに来るときに期待することはパフォーマンスを見ることではなく、その瞬間を生きることですから。
そして、その瞬間がようやく来ました…バンドがステージに上がる時間。会場内に流れていた音楽が止まり、部屋は暗くなり、バンドメンバーの背後に映るプロジェクションとともに、1曲目が始まりました!最初の 2曲は、テクニカルな面において、いつも大変なんです。ストロボライトの演出で、タイミングが合わず写真は真っ白か真っ暗。なので、いつも最初はあまり写真を撮らずに、その瞬間を少し楽しみます。でも、その数秒間だけでも、今回のライブが他と比べても、YFE本部で行ったライブと比べたとしても、引けを取らないだろうと確信しました。とてもユニークな瞬間になると思ったのです。でも、それがどれくらいのものかは、全く予想できませんでした。私は自分の感情をあまり表に出すタイプではありませんが(というか少なくとも、隠すのは上手いと思ってます!)、この日の、この瞬間は、何も気にしませんでした。その瞬間は、私と音楽だけでした。まるで、誰も、何も周りにないかのように。もしくは、自分の周りに300人の人がいたと分かっていても、全く気にしませんでした。ステージ上での解放のレベルや、曲をインプロで行い、リハーサルと全く違うことをする彼らに、私はふいをつかれたのです。もちろん、私のカメラとともに。だけど、主には私の感情が!そして、クラウドを見渡しました。何時間もかけてここまで来てくれた人、飛行機が怖いのに意を決して初めて乗って、私たちに会いに来てくれた人、この週末のためだけにUKからサプライズで来てくれた人、何時間もかけて運転し、このユニークな時間を共有しに来てくれた人…。体調を崩してるのにも関わらず、足を運んでくれた人や、「YFEがどういう人たちで、ライブ前やライブ中、そしてライブ後に分かち合う瞬間を見せたいと思って」恋人や家族を連れて来た人たちなど…私たちはみんな違いますが、みんな同じです。私たちが欲しいもの、本当に必要としているもの、それは自分の居場所を見つけることであり、家と呼べる場所を見つけること。愛されていると感じる場所を見つけることです。それがYFEの瞬間の全てなんだと思います…それぞれの理由と、それぞれの方法で、この夜、私たちは家を見つけました。
カメラを持ち直して、写真を撮り続けたことを少し後悔しています。たとえ、解放という感情が今も私にとって未知なるものだったとしても、そういう感情が最初は怖かったとしても、真実に他ありません。そして、これを書いている今も、その感情はしっかりと残っています。Your Favorite Enemiesのライブは本当に素晴らしい経験です。あなた自身もそれを経験できる 日が来ると良いのですが。あなた自身の感情こそ、私が伝える言葉よりも大きな声となるでしょう。そして願わくば、私の心に響いたものと同じコードがあなたにも響きますように!このライブは再び、未知なるものへと飛び込むことの大切さを見せてくれました。疑いによって自分を止めることはしちゃいけないんです。結局、私たちは後悔するには若すぎるんですよ 😉
– Stephanie
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