ジェフの目を通した、あなたとのニューヨーク
Blind Boys of Alabama, Cold War Kids, Clap Your Hands や Say Yes, Passion Pit, Courtney Barnettなどは、ニューヨークのロウアー・イースト・サイドにあるアイコニックなライブハウスPianosで演奏したことある数多くのアーティストのほんの一握りにすぎない。僕は、世界中から集まってきたバンドがプロになるという夢への階段を登ろうと全てを捧げているのを見ながら、その壁の間で数え切れないほどの夜を過ごしたよ!僕の目の前で夢が崩れ去っていくのを何度も目撃した。この寒い10月のCMJ開催中に、マネージャーやエジェント、フェスティバル主催者やパブリッシャー、音楽スーパバイザーたちが一人一人、会場から出ていくのを見ていたんだ。僕は毎年10月、自分のバンドのマネージャーという帽子を被って、ニューヨークに行く。というのも、音楽業界の人たちはアーティストと直接やりとりするのが嫌いだから。僕にとって、それはどうってことない。だって、自分のバンドを典型的なバンドだなんて一度も思ったことないし。結成当初からずっとDIYでやってきて、僕らが知っていることと言えば、頼れるのは自分たち、自分たちの直感、自分たちの哲学、そして音楽だけじゃなくて、人生を受け入れるという方法だけだってこと…。僕はニューヨークが好きだよ。だって自分と似たような人たちに囲まれてるって、いつも感じられるから。夢とヴィジョンが血管に流れ、心臓が脈打つたびに、自由を開花させるような人たち。
あれは2014年の10月だった。サンフランシスコ・ジャイアンツがワールドシリーズ戦のためにカンザスシティ・ロイヤルズを訪問していた頃だ。僕は火曜の夜にPianosへ行った。CMJが始まるのは水曜日だったから、予定より少し早かった。そこでは、野球の試合が大音量でTVスクリーンに映し出されていた。そして、ジャイアンツに点が入るたびに、TVに向かって叫んでいる男がいたんだ!この機会に誇りを持ってSFジャイアンツのキャップを被っていた僕が彼に近づいたとき、「やぁ、俺はスティーブン。Pianosのタレント・バイヤーだ」と話しかけてきた。僕らがすぐに意気投合したのは言うまでもないよね。ジャイアンツが試合していたこともあって、僕は午後をずっとPianosで過ごし、たくさんの人と会ったんだ!そして土曜日の午後にまたPianosへ行ったときには、「君のバンドすごく良いよ、ジェフ」という言葉をスティーブンから聞くことができた。「ここでライブしないかい?」と彼は言った。「君たちのようなバンドには、最高に合う場所だと思うんだよね!」その時から、彼はしつこく誘ってきた。CMJでのショーケース以外で、YFEがライブするNYでの初めての会場になりたいんだと言ってきたんだ。僕らにとって、バンドはどこかに所属することについてじゃない。それが、音楽シーンでも、ムーヴメントでも、YFEの音楽にジャンルを当てはめることさえ、ここ10年難しいことだった。だって、『And if I was to Die』 から『Vague Souvenir』、『Between Illness and Migration』 から『Tokyo Sessions』まで、いろいろな音楽プロジェクトをしてきたからね。僕らにとっては、音楽が全てなんだ。魂、直感が全てであって、それ以外にはなにもないんだよね…自分に真実になったとして、それが心地良く感じたら、僕らはそれを信じない。だって、君たち以外、世界中にいる僕らのファミリーたち以外からは、何のギフトももらったことないから。僕らはいつだって2014年のジャイアンツみたいなんだ。5年間で3度目の優勝を果たしておきながら、シーズン中はいつも負け犬チームだった。要は、どこまで先に進みたいのかっていう強い思いが大事ってことさ!
Pianosのアーティスト入り口で、一瞬、立ち止まったのを覚えてる。ニューヨークの最もクールなライブハウスで初めてパフォーマンスするだけでなく、モントリオールやケベックシティからバスに乗ってみんなが来てくれるって知ってたから!僕の人生でも最もソウルフルな瞬間の一つとなった経験を分かち合うことができたよ。あの後、何週間にもわたって、この2日間のクレイジーなニューヨーク旅行に参加してくれた人たちそれぞれの物語を読んだんだ。これ以上ないくらい、インスパイアされた。この旅が初めての海外旅行っていう人もいれば、ニューヨークに行くのは長年の夢だったという人もいた。また、他の人にとっては、バンドのライブを観て、新しい友達を作る絶好の機会だって思って来てくれた人たちもいたんだ!理由が何であれ、みんなの言葉を読むのは、とても感動的だったし、恵まれていると感じたよ。そうして、静かにこの旅がどれだけ君にとって意味深いものであったかを見ていたんだ。リハーサル室へ行くたびに、みんなの話をしたよ。だって、それこそ、こういうYFE流のクレイジーなことをしようって決めたときに、僕らが見たいと願っていたことだったから!この旅に参加するために、ヨーロッパから来てくれた人もいた。シカゴに住みながら、バスでのロードトリップに参加するために、わざわざモントリオールに来た人だって、いたんだ!バス内での言葉がほぼフランス語にも関わらずね!もう言葉にできないくらい、僕は驚いて、その愛、その喜び、そしてみんなの物語に参加できたことに慎ましく感激したよ!僕としては、それが最も大事なことなんだ。だって、それが音楽の本当の力だから。グラミー賞なんかよりも、もっと強い。だって音楽は、それぞれの違いに関わらず人を集め、人生を最大限に生きることについてだから!
タイムズスクエアが、2016年3月1日よりも明るくなることはないよ!時間が止まり、僕らがありのままの自分たちで一緒にいることが、本当には、どういうことなのか気づかせてくれた!だからこそ、トーレスのセレステ・ワインを選んだんだ。このぶどうが収穫された時の空の星を正確に描いたラベルを持つセレステ。僕はみんなに乾杯するよ。僕らが不可能に挑むために必要だった勇気をくれた君たちに。あの夜、ニューヨークの街の明かりの下、君たちはみんなとても美しかった。情熱が愛で満たされるとき、たとえ最も小さな星でさえも、銀河系全体を照らすことができるんだ。それこそ、ブロードウェイと45番ストリートに立っていた僕らだよ。僕らの心に永遠に生き続ける空の小さな欠片さ!僕は今夜、空を見上げて、自分が誰かにとって大事だと感じられることを楽しんでいる。この夜空を生かし続ける限り、その空でさえ限界ではなくなるからね…!大好きだよ、僕の友人たち。そして、僕の人生にいてくれて、どうもありがとう。このニューヨーク・ロードトリップは、今後たくさん来る旅の一つだ!
– Jeff