Open Your Eyes

(Elliott Says) [Demo Sessions, Instrumental]

今日の視点で見る昨日の曲

運命的な出会いが楽曲に

by Alex

ある特定の曲が、旅の要になるっていう事実はとても興味深い。「Open Your Eyes」はそういう曲の一つなんだ。バンドを迎え入れてくれた人たちにとってだけでなく、僕らバンドにとってもね。それって珍しいんだよ。だって常にファンの求める曲が、バンドのお気に入りっていうわけではないから。

「Open Your Eyes (Elliott Says)」がどんな曲なのか、その短い答えをここに書いたよ:

「Open Your Eyes」という曲は、世に出そうと決める前から、割と長い期間温めていた曲なんだ。というか、2007年6月にリリースしたEP『 And If I Was to Die In the Morning… Would I Still Be Sleeping With You』に初めて収録する前から、いくつか違うバージョンが出来上がっていた。初めてこの曲を書いたのは、エリオット・スミスの死にインスピレーションを受けてのことだったんだ。実は2000年5月21日の夜、モントリオールで開催されたCowboy Junkiesのコンサートでたまたま彼と会ったことがあってね。彼はバーのカウンターに座っていた。すごく悲しそうで、孤独に見えたんだ。僕らは少し会話をした。そして、なんと次の日の夜に予定されていた彼のコンサートのゲストリストに加えてもらったんだ。僕には、彼が何かを切望している人間として映った。そして、彼のコンサートはそんな人柄をそのまま映し出すかのように、陰鬱で本物だった。彼の訃報を知った後に、のちに「Open Your Eyes」となる曲の欠片を「Elliott Smith」というタイトルで書いたんだ。今のコードと一緒だけど、最初は主にスローなピアノ曲で、やがてアコースティックギターを加えて、その後タイトルを「Elliott Says」にした。さらに、そのあと「Open Your Eyes」と変化し、エリオットとガールフレンドであるジェニファー・チバの会話を勝手に想像しながら歌詞を少しツイストしたんだ。彼女が「なぜ?」って思っているシーンを想像しながらね。そして、最終的にこの曲を「Open Your Eyes」と呼ぼうって決めたのさ。より一般的な問いかけができるように。僕自身が抱えていた悪い人生の抜け道としてエリオットの名前を使わずに、自分の中にあった絶望と対峙できるように。

この曲は今日まで何度も進化してきた。だって、僕らも人として成長したから。そして、世界が傷ついた人たちを見捨てるのを目撃してきたから。でも何よりも、みんなと近くなればなるほど、この曲がどれだけみんなにとって大事かを思い出させてくれたからだよ。「Open Your Eyes」は、それまでの人生をずっと目に見えない存在のように扱われてきたことで、ほんの少し光に触れられた影すらも羨むようになってしまった人間にとって、誰かの目に”映りたい”と切望することがどんな意味を持つか。それについての賛美歌的なステートメントになったんだ。

だからこそ、この曲は僕らにとって深く意味のあるものであり、これまでの音楽的冒険において、99%の割合でセットリストに入っている理由だよ。

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