目に映る限り

Written by Your Favorite Enemies. Posted in Outside It's America

これまで立ち寄ってきたアメリカの都市すべてで(そしてカナダで唯一、立ち寄ったトロントも忘れずに)、私たちは全く期待していなかった現実や、存在していなかったもの、もしくは、先入観から全くかけ離れたものへと目を開ける必要がありました…

シカゴでのライブハウス、Thalia Hallに到着しました。元々は劇場だった場所を、ライブ会場へと改造した場所です。私たちの家、スタジオ(とそれ以上に大きな意味を持つ場所)へと変身させた旧カトリック教会を思い出します。オーナーと素晴らしい会話をしました。ライブ会場としてちゃんと使えるようになるまで、どれだけ手を加える必要があったか説明してくれました。それについても、私たちの教会スタジオを思い出しました。ときに、普通に見えるものーもしくは、それよりも酷く見えるものーは、ほんの少しのヴィジョンと信念で、家と呼べる場所になります。このライブ会場や私たちの教会は、人としての私たちを完璧に表しているんじゃないかと思います…希望がすべて無くなっても、ほんの少しの閃きで、全く新しいものへと目を開くことができるんです…

シカゴは私たちみんなが楽しみにしていた都市でしたが、ロードイン、インタビューとスターバックスへ立ち寄るという義務(WiFiと、そして何よりもコーヒー!)のため、あまり周辺を歩くことはできませんでした。バンで市内を運転し、建物の写真などを撮りました。ライブの時間になって、人と出会うときになって、ようやくこの都市のエッセンスを味わうことができました!

そうしてショータイムです。バックステージでは、この会場のスピリットや、その夜の私たちのエネルギーについて話をした素晴らしい瞬間を過ごしました。この日あった出来事について話したり、会うのを楽しみにしている人たちについても話しました。MySpace時代に知り合った古い友人たちも来ることになっていましたが、実際に会うのはこの時が初めてだったんです…

そして何というライブだったんでしょうか!本当に素晴らしかったです!ライブ会場が家のように感じたからでしょうか。クラウドの中にファミリーがいて応援してくれてると分かっていたからでしょうか。もしくは、この瞬間を永遠にしたいと思ったからでしょうか。バンドメンバーはステージ上で、本当に素晴らしく、最高でした。毎回見るたびに、彼らはどんどん良くなっていきます。”今回は今まででベストなライブだ”と思っても、すぐに新しいタイプのステージ・ビーストとなって、どんどん進化していきます…!

長年の友人Feteshaが、ライブについてレビューを書いてくれました。ここから読むことができます。

次のライブはデトロイト。正確にはファーンデールです。ライブハウスは新しい建物で、角にはグリーンルームがあり、床から天井まで植物が壁を覆っていました。息を飲むほど美しかったです!私が思っていたデトロイトとは全く違うものでした。デトロイトという場所の噂とは少し異なり、このライブハウスThe Loving Touchに穏やかなオアシスを見つけました。

アレックスは少し日記を書く時間をとりました。今回彼の”日記”は、ドラモンビルの街へのオープンレターです。ドラモンビル誕生200周年記念の企画委員会は、”センシティブな耳を持つ人々が祝祭から逃げてしまうのを恐れた”ために、YFEを祝祭には呼ばないと決めました。このような決断にリアクションをとるのはアレックスらしくありませんが、“Your Favorite Enemies” と “fear”(恐れ)という文字が同じ文章の中にあることは、反応を示すのに十分な理由だったのです。アレックスのオープンレター「恐怖心が招かれざる者を祝福するとき」は、SFCCで読むことができます。

そしてライブは… WOW! 最っ高でした!このライブについては、ある話があります。長年の友人ですが、今回初めて会うこととなったHowardは、YFEのライブに来ることにしました。移動にかかる時間は3時間。しかし、その途中で車がエンストしたので、自分で車を押さないといけませんでした。約8キロほど車を押し、タイヤが徐々に凹んできました。しかし、フラットタイヤを修理してくれる場所がある出口まで何とか押し続け、そこでタイヤを修理して、今度は車を修理してくれる場所がある次の出口まで車を押しました。トータルで16キロも、道路で車を押しながら進んだんです。車の修理工場へ着き、事情を説明しました。すると、その修理工場の人が車を貸してくれると言ったのです!「明日の朝、持って帰ってきてくれればいいよ。それまでに車の修理は終わってるだろうし、そうすれば今夜のライブにも行けるだろうから」。1日のうち、どんなに色々なハプニングが起きても、人生には起こるべくして起こることがあるのだという、その証拠だと思いませんか?自分のいるべき場所、出会うべき出会いがあるのだという…!そして、Shandeeと彼女のお父さんと再び会えたことも嬉しかったです!2つの素晴らしい魂!Shandeeのお父さんは、もう何度もバンドを見ていますが、今夜のライブがこれまでで一番のライブだったと言っていました!私も完全に同感です!毎晩、演奏するたびに、どんどん良くなっていってるんです、本当ですよ!

そして、トロント。何事もなく国境を越えたあと、クイーン・シティに戻ってきました。あまり好きになったことがない街に。でも正直、今回はこの街を好きになろうと頑張る必要はありませんでした。2015年に入ってから、この街に対する印象がガラッと変わった気がします。以前は毎回トロントに来るたびに、ビジネスが絡んできていました。自分たちの価値を証明しなきゃいけないというプレッシャーがあったんです。でも今回は、すべてが違いました。それについて、”バックステージ”でみんなと話していたのです。ーというか、バックステージはなかったのでツアーバスの中でーステージに上がる前に、話していました!なんとなく、この街はどんどん意味深い街になっていっているような気がします。 悪い経験と結びついていようとも、それは徐々に消えていき、全くポジティブな経験に変わっていっているような気がします。

YFE本部からも数人、ライブを 観に来ました!“Outside It’s America”コレクションからのTシャツを着て、Marjo, Momoka, Kosho と Kanuはトロントまで足を運んでくれました!誇らしさが見えますか?もちろん、そう見えると言って良いと思います! 🙂 そして、彼らはライブにも夢中でしたよ!本当に!

また、今年1月にトロントで行われたJuno賞のプレスカンフェレンスで出会ったPaulにも、再び会うことができました。私たちが野球のーSFジャイアンツのーファンと知って、ジェフにプレゼントまでくれました。今このプレゼントは誇りをもってツアーバス内に飾られています! 😉 Go Giants! Paulもバンドのパフォーマンスのレビューを書き、The Canadian Music Sceneのために撮った写真を公開しました。全てここから見ることができます!

アレックスもチャレンジを遂行して、トロントにてSFCCフラッグとともに写真を撮りました。サプライズで私たちに会いに来てくれたファミリーメンバーの人たちと、このチャレンジを遂行することができました!本当に素晴らしい瞬間でした…前回のアンコール(ここから観れます)でトロントを引いたときのアレックスのリアクションをずっと忘れないだろうと思います。

そしてライブ自体は…とっても素晴らしい瞬間でした!きっと満場一致でそう言えると思いますー忘れられない瞬間を作ってくれました!バンドを聞いたことがあろうとなかろうと、あの場にいたすべての人にとって記憶に残る瞬間だったと思います… 🙂

ジェフ、ミス・イザベルとムースは、ステージに上がる前にとてもインスピレーションに溢れるインタビューも行いました!下のビデオでインタビューを観て下さい 🙂

この日の夜は変な感じでした。再び国境を越えるのです。この夜は、色々なナンセンスが飛び交いました。他でもないセフ(もちろん、他に誰がいますか?!)から!それが何だったか気になりますか?アレックスがSFCCにアップしているツアー日記の中でシェアしますよー私を信じて下さい。ここには逃せないものが色々とありますから!

そうしてピッツバーグのライブ会場に着きました。すべてが灰色と茶色の街。ライブ会場は旧教会(通りの向こう側にはまた別の教会があります)でした。何となくまだ建設中のようで、一瞬見た限りではすべてが冷たく見え、周りからも少しずれている感じがしました。天候や建物の色や、通りに誰もいなかったせいかもしれません…

バックステージでは乾杯をしました。目に見えない色への乾杯です。そして、周りを囲むものが何だろうと、自分たちの色を与えることへの…それまでこの街から受けた雰囲気にふさわしい乾杯でした。どこをとっても印象に残らない街、ですが、それを特徴づけるのはそこにいる人なんです。

ツアーに”欠かせないもの”がこれです。ジョニー・ウォーカー・ブラックで、時々ライブの前や後に乾杯します。そして、チップスにつけるための“salsa con queso”。ツアー中、ヘルシーな食事を心がけますが、簡単じゃないんです。そして自分が持つ力以上に全力を注いだライブのあとは、美味しいセロリのスティックもチップスには勝てないんです 😉

ライブは街のイメージと似ていました…何となく、距離があって冷たい感じ。それでもなお、とても良いライブでした。何かが欠けているという印象にも関わらず…でも、そんな思いはバックステージに集まって、曲中でのお気に入りの瞬間などについて話したり、撮ったばかりの写真やビデオを観ているうちに、すぐに消えました!

翌日はブルックリンで目覚めました。ここは、アルバム『Between Illness And Migration』がミックスされた場所なので、バンドにとって、とても意味深い場所です。この旅の歴史において、重要なスタンドポイントとなったのです。また、NYCのどこへ行こうとも、ブルックリンに留まりますーこの街には意味深い理由が色々あるんです。ここには人がたくさんいます。NYCに戻ってきて、これこそ他の街に欠けていたものだと思いました…目に映る限りの人。どことも言えないような場所の陰った路地にいようとも、人に会います。そういう場所に本当の人生があるんです;人々の中に。みんなそれぞれ違う、ユニークな人々が、すでに響き渡っている街に独自の色を与えています。そして、めちゃくちゃになるのではなく、それがハーモニーとなって混ざり合っているんです…

私たちはいつもRough Trade Recordsに立ち寄ります。そして、その近くにはマンハッタンが望める公園があります。この眺めを何度見ようとも、畏怖の念を抱かずにはいられません。そう、ニューヨークはすべてが可能な街…そこで見つける成功が、想像したものと違っていたとしても。すべてが可能なのだと認めざるを得ない場所です。街全体が”可能性”というものに逆らっています。それを外から眺めるとき、その理由が簡単に分かります。外から見ると、ニューヨークはレゴで造られた建物のようです。それを積み上げる人々は、常により大きなものを探していますー建物の高さは、自分が探し求めているものとは何の関係もないんだと気づくまで。彼らが本当に探し求めているものは、建物の下深くに埋められているんです。

この夜は、ジョン・アグネロとも会うことができました。アルバム『Between Illness And Migration』をミックスしただけでなく、可能だと思っていなかったサウンドの地平線を開かせてくれた素晴らしい人物です…

とても遅くに始まるライブでしたが(深夜にステージに立ちました)、激しさいっぱいの瞬間でした。アレックスはクラウドサーフィンをし、ドラムは最後フロアで終わりました。上の写真からはほとばしる汗が見えると思います 😉

そして、ニューヨークはLe Poisson Rougeでのライブ。ジェフ、ベン、アレックスが一緒にいる姿は、サウンドチェックやライブ前によく見る光景です。ジェフは、ライブ前にケリをつけなければいけないビジネス関連のことを携帯で対処します。ベンはライブを録音するかしないか、ステージでイヤモニをミックスすることができるか、その可能性について自分の考えを話します。そしてアレックスは会場の雰囲気に浸るんです…

11夜連続の、これが9夜目でした。疲れ切っていたという表現でさえ、柔からく聞こえます。そんなものではありませんでした。しかし、YFE本部からはたくさんのクルーが駆けつけ、ケベックやオンタリオからもサプライズで来てくれた人たちがいました。プラスして、このライブはSFCCで生中継される予定だったんです。そのアイディアだけでも、その後来る夜に対して、メンバーを熱くさせました。そして、何というライブだったんでしょうか!こんなバンドを今まで見たことがありません。メンバーは熱く燃えていただけでなく…彼らの心にあった炎は、これまで見たことがないものでした。本当に最っ高でした!このライブに来た誰もが、それを証明できると思います。そして、このライブをオンラインで見たSFCCの皆さんも!

他のフォトグラファーが撮った写真がここここで見られます – 写真を見るために少しスクロールダウンして下さいね ;)。

そうして、ボストン…色んな文化が混ざったとってもカラフルな街…ベツレヘムというのは実は韓国料理屋さん、オッパ(韓国語)はお寿司屋さん、そして“kebabs”(ケバブ)のスペルを“kabobs”(ケボブ)と書いていました。一つだけ何ともミックスされていないのは、人々のレッドソックスに対する愛でした。どこを見ても、有名な赤い “B” の文字が、キャップやTシャツ、パーカーやワピースにまで付いていましたーどこにも逃げ場所がないくらい!ステージが下に見渡せる、とても暑くて湿度の高いバックステージでストレッチしたあとは、バンドがステージに立つ時間…!

ライブは最高でした。本当に文字通り。たいてい、バンドメンバーはライブの出来に満足しますーそうじゃない時は簡単に分かります。でも今回は、本当に燃えてました!あの場にいた誰もがそう感じたと思います!いつもと同じ長さのライブでしたが、誰もがいつもより短く感じたと言っていました!この50分は本当にあっという間でした。そして、私が覚えている限り、メンバーが”ネガティブなポイント”を見つけられなかったライブですー正すべきところも、改善すべきことも、変えることもない。完璧なライブだったようですーそして、もちろん来てくれた人たちも、まさにそのように経験しました!

このブログはもうだいぶ長いのですが、皆さんに見せれるだけ、見せたかったんです。次回のツアーブログは数日後。フィラデルフィアでのライブと休日、そしてワシントンDCでのライブについて書きます! 🙂 楽しみです!:)

– Stephanie

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