FYI Music Magazine: “Your Favorite Enemiesのアレックス・フォスターに…5つの質問”

Written by Your Favorite Enemies. Posted in インタビュー

ケベックを拠点に活動するロックバンドYour Favorite Enemiesは、 A Journey Beyond Ourselvesと名付けられた新しいプロジェクトをリリースし、既に感銘的な彼らのカタログを拡大した。DIYバンドのメンバーによってハンドメイドされたプロジェクトは、アルバムTokyo SessionsのダブルLPと、バンドがモントリール郊外に持つ教会スタジオにてライブレコーディングした未発表曲”Underneath (As Strangers Falling in Love)”の10インチレコードが含まれている。

それに加えて、リードヴォーカルのアレックス・フォスターが書いたパーソナル・メモや、ツアー中に書き綴った日記の一部、未発表の詩、そして彼らのワールドツアーからの写真、各バンドメンバーによる回想記などが詰まった豪華な本も揃えている。

A Journey Beyond Ourselves は、Your Favorite Enemiesの過去5年間を振り返ったまさに旅路だ。バンドメンバー6人それぞれの親密な物語が語られ、アルバム 『Between Illness and Migration』の複数のバージョンを制作した理由に触れている。

また、フォスターが肉体・精魂ともに尽きるようだったと描写する前作品の創作期間のあと、バッテリーをリチャージするために数ヶ月間活動を控えていたが、このプロジェクトは彼がフルタイムでの活動に戻る印にもなった。A Journey Beyond Ourselvesの詳細については、 yourfavoriteenemies.com へ。

A Journey Beyond Ourselves は、素晴らしいプロジェクトです。完成するまでにどのくらいかかりましたか?また、チャレンジだったことは何ですか?

このプロジェクトを完成させるまで、1年とちょっとかかったかな。

実は、最初にこのアイディアが生まれたのは日本で開催したコンサートから帰ってきたあたり。アルバム『Between Illness and Migration』の解釈を全く新しくして、日本でコンサートをしたんだ。このコンサートが、アルバムTokyo Sessionsへと導き、次回のアルバムへとシフトしていく間に、A Journey Beyond Ourselvesのアイディアが一瞬、再浮上した。その時はみんな、とても忙しくて、こんな壮大なプロジェクトに取り組むなんて正直、余裕がなかった。けど、1年くらい前に僕がタンジェに滞在していたとき、このアイディアについて再び考えてみたんだ。

正直になりたいというバンドに共通した意思よりも、どれだけ率直になれるかというジレンマの方がチャレンジだった気がする。このプロジェクトが徐々に形になっていく中で、要となったのはそれなんだ。最初はアルバム『Between Illness and Migration』のコンセプトに関わる物語についてだったのが、世界各国を訪れたツアーなどの5年間にまで広がっていったからね。でも何となく、個人ノートを再び開けて、僕のツアー日記などを読み返していく中で、このプロジェクトはより親密でパーソナルなものになっていった。バンド内の関係について深く見つめたり、鬱や孤独に関わるチャレンジ、質素なバックグラウンドを持つ6人の異なる人間たちの目が、世界を知ることで生じる目眩がするような現実とかね。

アルバムの物語は、違うアングルで自然に明かされていったよ。それを書き直して、神話かのように良く見せようとするのではなく、ありのままの物語に完全に浸り、お互いと再び繋がるための手段にしたんだ。

僕らが来た場所、以前の僕ら、通ってきた道、そして、それを生かしたまま取り出すことがどれだけ難しいか、それと向き合うことこそ、長時間アーカイブを覗いたり、プロジェクトの製作において直面したテクニカルな問題よりも、チャレンジだったように思う。

長い答えだとは思うけど…まぁ、これでも一部だよ!

自分についてさらけ出すことが、何故そんなにも大事だったのですか?

自分が誰かの物語の影になっていると認めた瞬間に、そうすることが必要になったと思う。自分の人生の傍観者になって、誰からも離れ、感情的に完全に孤独だって認めたときに。その道のプロに相談したり、他の人たちに打ち明けたりもできたかもしれないけど、文章を書くことが、いつだって僕の自己表現の方法だった。だから、そうやって向き合ったんだ。そして、真実以上に、正直言って、ポジティブに解放することができたと思う。まるでドラマかのように公に自分に鞭打つんじゃなくてね。最初は気が進まなかったけど、何となく、書いて心を開くことが自分にとって良いことだと分かっていた。

こういう問題はとてもセンシティブだと思うけど、鬱や心の病というのは、自分で認めることがすごく難しいものだと気付いたんだ。まるでタブーかのような。”強くいる”ことがすべての答えになっているからね。本当に必要なのは脆くなることかもしれないのに。まぁ、僕はそういう風に考えてるし、そうやって心の問題に対処するようにしてるんだ。数年前、Matthew Goodのパーソナルストーリーが警告してくれた…ある意味で、孤独のサイクルを壊してくれたよ。

バンドを、友人として、ミュージシャンとしても強い絆で結ばれたものにした要素をどう描写しますか?

お互いの違いを受け入れることを学んだって言うかな – そして僕らがどれだけ違うかを神様は知ってる!だから、バンドに必要な妥協を育てるんじゃなくて、僕らが分かち合っている言語の本質を定義し、再定義し続けようとしてるんだ。僕らみんな、自分の中の悪魔や影と戦ってるという事実を認めたんだよ。そして、他人を自分の自己保存の視点に合わせようとするよりも、ありのままの僕らをお互いに受け入れることを学んだんだ。

理由を確かなものにするのは難しい。けど、僕らはお互いを見つけ、何となく僕らの目的を見つけたんだ。残りは選択さ。ここ数年で学んだことは、プロジェクトがどれだけ新鮮で、心が高揚するものだったとしても、それは僕らがお互いに投資する時間の代わりにはならないし、僕らにある問題を永遠にカバーすることもないってこと。覚えておくべきモットーと哲学的な視点だよ。時に、他の人たちよりもね!

今取り組んでいる新しい音楽について少し教えて頂けますか?

僕らは、いくつか違うプロジェクトに取り組んでるよ。セフ、ベンと僕は今まさに、来年リリース予定のサウンドトラック・プロジェクトを完成させようとしてるんだ。僕はフランス語の朗読/ノイズ/エクスペリメンタル・アルバムも同時に制作中だよ。そして、僕はYFEサーカス全員を今月末にタンジェへ連れていき、街の中心に建てたレコーディング・スタジオで次のアルバムに取り掛かろうとしてる…僕らの毎日は多くのノイズに囲まれているよ!

子供の頃の音楽にまつわる最も好きな思い出は何ですか?

本物のロックンロールが何かについての激しい口論かな。母はElvisが大好きで、父はCreedence Clearwater Revivalに忠誠を誓っていた。激しい会話は、理由がどうあれ、男はソファで寝なきゃいけないこともあるってことを理解させてくれたよ!まぁ、それはともかく、二人はその後、共通の考えを見つけるんだ。僕が大好きだったMinistry, Skinny Puppy や The Cureへの完全なる嫌悪でね。分かってるよ、僕も何故なのか理解できない。多分、髪型じゃないかな…さぁ、どうだろうね!